ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

タムロン90ミリマクロというレンズは、やはり気持ちいい。レンズ沼にはまった私が勧めるレンズとは。

流行りは、明るめの露出でパステルカラーに

フィルム時代、コントラストの加減を間違えると、手遅れになることが普通でした。

たとえば、コントラストがきつい(明るい露出)と、陰影がつきすぎて写真が硬くなって下のようなお花の軟らかさは表現できなくなります。逆にコントラストを緩める(暗い露出)なら、ぼやけて締まりのない写真になってしまいます。

現在のデジタルカメラは、光の感受性能(バンド)が広くなったことに加え、HDRという写真合成機能が、撮影者が意図しない間に機能を発揮するため、下のような写真が出来上がります。フィルム時代に写真をやっていた人は、下のような写真を「作る」時は、暗室で覆い焼きのようなテクニックを使っていました。

チューリップ

タムロン90㎜macroSPという極上レンズ

さて、写真を撮影した日のGWの植物園は、定番のチューリップでにぎわっていました

今回掲載した写真はすべて、タムロン90㎜macroSPで撮影しました

すでに廃盤となった極上レンズのタムロン90㎜macroSP。後継レンズもありましたが、デジカメのトレンドがミラーレスへ移行したため、私の使っているレンズは世の中から無くなってしまいました。

残念です。

草花

カミソリピントレンズとの付き合い方

このタムロン90㎜macroSPというレンズは、被写体へ極限まで近づいて写真が撮れるレンズです。

しかしその分、ピントの合う幅が、最小で1ミリぐらいの幅と、カミソリピントです。

そのため、通常写真を撮るときは、F9~11ぐらいまで絞ります。そうしないと、雄蕊の一部だけにピントがあったり、雄蕊にだけピントが合って花びらや鰐がぼやけてしまいます。

この絞りの塩梅は、撮影を重ね経験を通してでないと取得できません。

とにかく撮影を重ねて覚えていくしかありません。

チューリップ

タムロン90㎜macroSPは、暖色が明るく撮影されるレンズ

タムロン90㎜macroSPは、発色がパステル調に振れているので、花の撮影に案外向かない場合があります。

今回は春の撮影なので、明るい写真になって正解です。

しかし、秋の紅葉のように深く渋い色を出そうとすると、アンダー気味に撮影しても、やはり軽やかに仕上がってしまいます。

チューリップ(Tamron90)

青葉の紅葉(タムロン90㎜)

タムロン90㎜で撮影した紅葉

ニッコールズームレンズで撮影した紅葉

写真はカメラ本体だけでなく、レンズが大きな要素になります

ニッコールは、アンダー気味に、そして高コントラストで撮影できるレンズが多いです。フィルム時代から、モノクロームフィルムで撮影するならニッコールが良いと感じていました。逆に、カラーフィルムで人物を撮影するならキャノンの白レンズ(EDレンズ)が最高だと思っていました。

上の写真をご覧になられても、同じ日に撮影したタムロンニッコールの写真を比較すると、ニッコールの方が晩秋っぽい雰囲気になっていると感じられることでしょう。これが各社のレンズの特性というものです。

レンズ沼、それは写真をする者にとっては避けられない

デジカメ時代になっても、レンズの特性は写真に影響を与えます。

レンズ沼と揶揄されることもありますが、カメラを買ったら、一つでもいいので、単焦点のレンズを買って使うことをおすすめします。

30年間、写真をやってきた私が納得してお勧めできるレンズ3選

単焦点レンズを最初に買うなら、ニッコール40㎜F2.8

このレンズは、いわゆる「標準レンズ」(ファインダーで見える画像と実際に見えている画像の大きさが、ほぼイコール)というものです。マクロ機能も付いているので、カフェのモーニングやスイーツの撮影にもってこい。それだけでなく、人物撮影にもピッタリの画角。フルサイズだと50㎜が標準レンズになるのですが、この画角は、APSCでも使いやすいです。それに、このレンズ、結構背景がボケます。ピントもしっかりしているし、言うことありません。このレンズ以上に、高級で素晴らしい写りを出せるレンズはありますが、このレンズの2~3倍の値段がします。

私は皆さんには、とりあえず頑張れば手に入り、そして結構いろんなシーンで使えてガンガン使える、このレンズをおすすめします。

マクロ撮影するなら、タムロン90㎜macroSP

先ほどから紹介しているタムロン90㎜macroSP。もう売っていないんですよね。

ミラーレスが主力になっている現在、一眼カメラ用レンズは、過去の遺産になってしまっています。

中古でこの価格ですからね。お求めの時は、絶対に現物をみて購入してください。このレンズは、MFでないとピントがとりにくいことが多いんです。なんせカミソリピントなので、AFだと自分の思うところでピントの山がこない。ということは、ピントリングが不調だと、それだけで撮影モチベーションが落ちてしまいます。

お気をつけてください。

ポートレートなら、OM M.ZUIKO DIGITAL 45mm 

ポートレートレンズは、だいたい高額です。

しかし、このレンズは、2万円台半ばで、本当にきれいに写真が撮れるんです。

しかも発色もボケも美しい。

マイクロフォーサーズ用なので、フルサイズなら90㎜換算。まさしくポートレートレンズサイズですね。

マイクロフォーサーズは、一時期絶滅危惧種になっていましたが、最近、Vlog撮影用の機材としてLUMIXが優秀な機材を発表するし、PenEP7は、所有欲も搔き立てられるカメラの仕上がりになっています。

さいごに

デジタルカメラを購入したとき、大体レンズがついています。

付属レンズだけでも十分楽しめるのですが、もう一歩写真を楽しむには、単焦点レンズ(ズームのないレンズ)を購入されることをおすすめします。

単焦点レンズの面白さや感動は、やはり経験しないとわからないと思います。

ここまでお付き合いいただきました皆さんには、ぜひ、単焦点レンズにチャレンジしていただければ、そしてレンズ沼へお立ち寄りください(笑)。