今週のお題「名作」
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原田マハさんをご存知でしょうか
小説家、キュレーター、カルチャー・エッセイス
東京都小平市生まれ
小学6年生から高校卒業まで岡山県岡山市育ち
岡山市立三門小学校、岡山市立石井中学校、山陽女子高等学校、関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館に勤務後、2002年にフリーのキュレーターとして独立
キュレーター(美術館で美術品の鑑定、研究を行う専門職)ということもあり、美術に絡んだ小説が多いです小説家さんです
「楽園のカンヴァス」は彼女の才覚が十二分に生かされた作品だと思います
今まで見てきた美術作品、例えばゴッフォとかは、単に学生時代、教科書で見たものが目の前にある程度の感想しか抱かなかった私が、作品完読後、作品を見るとそれが完成するまでの物語とともに何故ここがこのような表現になったのか、なぜこれを描いたのか、なぜこの色使いなのか等々、目の前の芸術作品が私に語り始めてきました
美術品を心から始めて楽しめたのは、原田マハさんの作品のおかげでした
彼女は芸術系作品だけを世に投じているわけではありません
皆さんもよくご存知の「キネマの神様」は彼女の作品です
それ以外にも、日常を描いた作品もたくさんあります
その中で今日紹介する小説『翼をください』は、私の知らなかった戦前・戦中の歴史を知ることができたきっかけとなりました
少し作品について語ります(ネタバレあります)
この作品は、史実に基づいたフィクションで、日本で世界一周飛行を成し遂げた航空機「ニッポン号」と、米国人女性で初めて大西洋単独横断飛行を達成したエイミー・イーグルウィングの勇気と感動のストーリーです
物語は1939年、第二次世界大戦前の時代にさかのぼります
新聞記者の青山翔子は、世界初の世界一周旅行を果たした毎日新聞の社用機「ニッポン号」の写真を見つけます
彼女はプロジェクトにカメラマンとして参加していた男を追って、アメリカのカンザス州へと飛びたち、かつて翔子と同じ写真部にいた老人と出逢います
そこで聞いた話は、本当なのか疑わしいほどのダイナミックな物語であり、半信半疑のまま、日本に帰国します
このエピソードは、第二次世界大戦前の実際の出来事を元に描かれており、さらにアメリカ人女性パイロットであるアメリア・イヤハートの物語も組み合わせています
この小説は、テンポの良い展開と細かい描写が両立しており、読み始めると一気に最後まで引き込まれると思います
とにかく、あっという間に読むことができます
戦争を知る人も知らない人も、世界平和を考えるきっかけとして、ぜひ一度手に取ってみてください
間違いなく、名作です
以下、作品に登場するニッポン号に関係する参考を記載して終わります
「ニッポン号」:1939年に毎日新聞社によって世界一周飛行に使用された航空機
元々は海軍から貸与された九六式陸上攻撃機を改装したもの⚪︎飛行までの経緯
1937年に東京朝日新聞が「神風号」という名前の東京からロンドンへの長距離飛行を成功させたことに刺激を受け、毎日新聞社(大阪毎日・東京日日)は世界一周飛行を企画
毎日新聞は海軍航空本部教育部長の大西瀧治郎や海軍次官山本五十六に協力を依頼
軍令部は当初、現用機の貸与に反対していたが、最終的に九六陸攻の貸与を認可
改造機体は、兵装が撤去、胴体内部に座席7席を設置、燃料タンクを増設
これにより、燃料搭載量が増加、寒冷地飛行用の装備も搭載
⚪︎世界一周飛行スタッフ
ニッポンの乗員は以下の7名
使節団長:大原武夫
機長:中尾純利
副操縦士:吉田重雄
機関士:下川一
技術員:佐伯弘
機関士:佐藤信貞
機関士兼通信士:八百川長作
⚪︎飛行経路
1939年8月26日に羽田飛行場から出発し、アメリカ合衆国各地を来訪
しかし、第二次世界大戦が勃発し、予定されていたフランスからイギリス、ドイツへの飛行が不可能に
ニッポンは南米へ向かい、大西洋横断飛行を敢行
その後、ダカール、カサブランカ、スペイン、イタリア、ギリシャ、イラク、インド、タイを経て、10月20日に東京に帰還
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