ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

成人の日

今日は、テレビ、ラジオ、新聞から「成人とは何か」という話題が頻繁に出る
「成人とは何か」
デジタル大辞泉によれば

せい‐じん 【成人】[名](スル)
1心身が発達して一人前になった人。成年に達した人間。おとな。現在一般的には、満20歳以上の者をいう。
2子供が成長して大人になること。「娘はもう―して働きに出ている」

とのことである
1の考え方でいえば、二十歳をもって、心身が発達したとみなされるわけである
2の考え方でいえば、実質的行動や思考の成熟度をもって、大人が判断するわけである
どちらにしても、今日から社会的責任を負わされる身だと強制的に決められるわけで、それを祝うのは、当の本人達でなく、既に成人となった人々ではないかと思ったりもする
すなわち、既婚男性が「ようこそ、人生の墓場へ!」と結婚する男性に言うのと同じ意味をもつような気がする

さて、小生が新成人に言いたいことであるが
「人生の友を作りなさい」
である
20年しか生きてこなかった皆さんには、今後60年以上の人生が待っている
まだまだ始まったばかりだ
この長い人生に必要なものは何か
金か?
名誉か?
地位か?
そういったものより大事なモノがあるような気がする
「友」である
「友」といっても、色んな「友」がある
年をとっても何でも話しあえる「友」
死ぬまで主従関係にある「友」
生きては会えない師と仰ぐ「友」
どんな時でも身離すことのできない思い出の品などの「友」
一心不乱に打ち込むことのできる趣味や仕事などの「友」
等である

「友」は人生を豊かにすると思う
小生の話で恐縮だが、小生は写真を「友」にしている
小生が小学生の時、大掃除の最中に、家の蔵にしまいこまれていた祖父が戦地に持って行ったジャバラ式のカメラを発見した
それが「友」であるカメラとの最初の出会いだった

それがきっかけとなり、母親の妹さんが使い古したCanonAutoboyを使うようになり、高校ではコーラス部の顧問からの強烈な入部アタックをかわして写真部にはいった
コンテストにも応募し、数回、雑誌に掲載されたこともある
自作フィルターまで作った
授業が終わると暗室に数時間篭ったこともあった
しかし、大学受験のため、写真は一時中断した
大学に入った後、写真はコストがかかるため、中断を継続
その後、趣味たるものを持たないまま、10年ほど過ごした
28歳の時、結婚をした
その後、子供が生まれた
それをきっかけに、コンパクトデジカメを購入、写真の趣味が復活した
猿のように写真にとり憑かれた高校時代と違い、仕事の合間に写真を楽しむようなスタイルに変わったが、暇ができるとテレビよりカメラという具合に生活が変化した
カメラを持って散歩すると、街の風景が違って見えたり、風の匂いまでに敏感になる
今まで何気なく過ごしてきた街が楽しい空間に感じられるようになった
不思議なものだ
小生、「友」であるカメラによって人生が豊かになったと実感している
心豊かに人生を過ごすためには、共に歩む「友」が必要だと思う
当然のことだが、妻や子供、友人を持つことも、人生を豊かにする
それに加えて「友」を持てば、より人生を豊かにするのではないだろうか
是非、新成人の皆様には、人生の「友」を発見して、まだまだ長い人生を豊かなものにして欲しいと思う

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