残念なことに、罪のない多くの方がなくなられたアルジェリアのテロ事件。
まったくもって、このような野蛮な行為がなくならないのかと、報道を見るたびにため息が出る。
そして、もう一つ心配なのが、マスメディアの過剰報道合戦。
遺族の心情を配意して、政府・企業は亡くなられた社員の遺族の名前を公表しなかった。
遺族の気持ちとしたら、突然奪われた愛しい人の命について、まだ心の整理もついていないだろうと思われる。
だから、名前を公表しなかった。
近所の方々に無闇に騒がれたくない。
テレビで報道されたくない。
とにかく、そっとしておいて欲しい。
そう思っているはずだ。
そんな中、朝日新聞が、亡くなられた社員の1人の報道を実名で行った。
遺族の了解はあったのだろうと思う。
が、あまりにも無神経なのではないか。
なぜ、多くの人がそっとしてあげようと、政府までが配意しているのに、それを知っていて、なぜ報道したのか。それは、正義なのか。
私には、理解できない。
記者だってサラリーマンだから仕方ないだろう、そう言いたいのかも知れない。
しかし、その前に人間だろうよ、記者だって。
まあ、遺族とどんなやり取りがあったか知らないから、ここに書いたことは、私の想像。事実は知らない。
ただ、この報道で心配事がある。
ご遺体とともに遺族が帰国した後の、各社報道の動きである。
絶対にやりそうなこと。
葬式に突然押しかけてインタビュー。
勝手にカメラ撮り(全部モザイクかけての報道)。
私は、もし野蛮な取材・報道がなされたら、遺族や遺族の周りにいる方は、すぐに警察に連絡するとともに、BPOに連絡することをお薦めしたい。
報道の自由より、プライバシーの保護、個人が平穏に暮らすための権利の方が、断然につよい。
それが、社会的な事件であってもだ。社会的背景を知るための最低限の報道・取材は許されるだろうが、報道陣の取材の自由は、当然、個人のプライバシーを侵さない、個人の平穏な生活を犯さないことが前提である。
だから、迷わず、警察とBPOに連絡してほしい。
そして、可能であれば、どこかでネットで事実を発信して欲しい。
とにかく、報道の餌食になってしまうことだけは、避けて欲しい。
ただでさえ、つらい思いをされているのだから。