最近、日本社会で起きる事件はどうも理解出来ない物が多い。先日の事件も何だか訳がわからない。マスコミがこぞって官僚への不満が体現されたのだと報道しているが、すっきりしない。
昔、515事件、226事件という軍事クーデターが日本であった。青年将校が政治への不満を爆発させたのだというが、本当にそうだったのか。青年将校たちの純粋な政治への不満だけで、クーデターに賛同する多数の青年たちがあつまったのだろうか。
日米安保闘争も同じである。あの闘争に参加していた中心の人々は、たしかに理念をもってしていただろうけど、周りの多くの人々も、果たして同じだったんだろうか。
ただ言える事は、それらがおきたとき、世の中は不況などで世情が悪かった。
人間は、自分の不満を解消するために、まったく別の次元でそれを解消しようとする事がある。ポジティブにいえば、エネルギーの昇華であるが、ネガティブにいうと、やつあたりである。やつあたりは、する側には安全な攻撃方法である。真珠湾攻撃と同じである(尋常ではない怨みを買うので、しっぺ返しが強烈だが)。最近の社会でおきる事件は、そういうのが多いような気がする。しかも最近、益々エスカレートしている。
社会に不満があった → 感情的かつ計画的な無差別殺人
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実は、就職活動がうまくいっていなかった
年金問題や動物保護のやり方で不満があった → 計画的かつ周到な殺人
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実は、周りの人から煙たがられていて、疎外感が強かった
人は、ストレートにフラストレーションを解消できないとき、その代替を見つけて解消をすることがある。
その類の事件が、本当に多い気がする。
戦前の不況→クーデター→戦争と言う嫌な方程式が脳裏をよぎる。
戦前もそうだったが、世情不安を増殖させるキッカケはマスメディアの報道であるような気がするので、マスメディアの方には、どんな事件があろうと、事実だけを報じ、要らぬ不安を抱くような推測の多い報道は避けて欲しいと願う。