私たちの憧れの食事と言えば、フランス料理や中国宮廷料理、純和食料理(京料理)であり、その中でも、「時価」という値札が付けられる「回らない寿司」ほど、憧れるものはない。
銀座久兵衛、京都四条河原町のこう一、兵庫・明石の菊水など、一万円札が千円札のようになくなる高級さ。その日の最高のものが出てくるのだから、舌が肥えた方にとっては、それでも安いと言えるのかもしれない。
しかし、庶民はそうはいかない。
105円で何が悪い!って、思いながら卑屈になって寿司を食べる。そんな気持ちが、今回のカンブリアでなくなった。
「売値の半分が原材料費!?」
これには驚いた。普通なら利益はないだろう。しかし、原材料に良いネタを使うことで、回っている寿司の回収率(返品率)が数パーセントになっているとか。つまり、原価の中に、最初から損失を積む金額が少なくて済むということだ。旨いから、回収率(返品率)が悪い。だから儲かるってことだ。
ここ数年、トヨタの車に乗っている。前は他メーカーだったが、実は、次もトヨタにしようかと考えている。
理由は、品質。私はトヨタ店系の車なので、ネッツ系はわからないが、とにかく、ベースがしっかりしているのである。乗っていて、常に80点なのだ。モノがいいというのは、こういう事なのだろう。
スシローも同じなのかもしれない。
若き経営者の登用
これはかなりの決断だったと思う。社長が計算してって訳でなく、まさしく直感、フィーリングだったのだろう。
もともと寿司職人だった社長にとってみると、マネージメントは理解できなかっただろう。旨いものを安く売れば客は来る。利益が悪ければ、少し単価をあげる。それで良いって思っていたのかもしれない。
しかし、マネージメントはそんなに甘くない。車の世界を見ると、よくわかる。なぜ、あんなに刺激的で魅力的だったイギリス車は軒並み他国メーカーに買われたのか。アメリカだってそう。それは、収益が悪くなると、極端に値下げしたり、値上げしたりするからである。カスタマーは品質をよく感じている。メーカーの思惑や都合など、すぐに見抜くのである。そういう意味で、江戸時代は、旨い安い早いの代名詞だった、元祖ファーストフードのお寿司は、いつの間に高級料理になっちまったんだろう。
これって、かつてのイギリス車と同じ道を歩んでいるのでは・・・。
若い人が組織に入ると、そういうことをビンビンに感じる。それが、組織を変える可能性を高めるのだ。
スシローは、その典型なのだろう。
最高にハッピーな革命
村上龍が言う通り、まさしくその通りだと思う。
しかし、私はこうも考える。
「原点回帰革命」
回るすしが流行るのは、旨い安い早い!だからだ。だから、スシローは流行るのだと思う。