我が家の庭で育成している日本トキソウが咲きました。
ランの仲間。小さいとはいえ、やはり姿が美しい。
さて、かつては本土で普通に見かけることができたトキソウですが、いまや準絶滅危惧種に指定されてしまっています。
販売目的、栽培目的で多くの人が乱獲したのが原因です。
半年ほど前、神戸で活動する山野草愛好家の方とお話させていただいたとき、本当に野生の山野草が見かけにくくなったと言われていました。山野草愛好家の方たちは、こうした事態を危惧して、最近は、どこでどんな野生の山野草を見かけたかという情報を隠すようにしているようです。
私は写真専門の山野草ファンなので、家で育てるより、その場で頑張って咲いている健気な姿を記録したいと思うだけなのですが、世の中には持って帰って自分で育てたい、育てて売りたいという人がいるようです。理解に苦しみますが。
写真のトキソウは、園芸店で購入したものです。ですので、綺麗ですね、美人さんです。野生種だったら、虫に食われていたり、風をうけてまっすぐ成長していなかったりしています。写真をとる人間にしてみれば、それがとても素敵な情景なのです。
そこにある、その瞬間に生きている健気な生命。それこそが写真に収めたい姿であり、敬うべき自然のすばらしさ、尊さだと思うんです。
ですので、自然の中で出会った山野草は持ち帰らず、その場で生涯を終えてもらえるよう、皆さん、ご協力ください。