サギソウ。
花言葉は「夢でもあなたを想う」。
由来ですが、この花言葉以外に、純粋、繊細という花言葉をもっているので、夢でもあなたを想うぐらいの純粋さと繊細さが、この花からイメージできるということなのでしょう。
ロマンチックですね。夢でもあなたを想うって。
夢で想う「あなた」はどんな人でしょう。
今、世界中の誰よりも大切な人でしょうか。
密かに思い焦がれる人でしょうか。
もう会うことのできない人でしょうか。
色々想像してしまいます。
昔は多くの湿地で自生しているサギソウを見ることができたそうですが、湿地が減少するにつれ、絶滅危惧植物になってしまいました。あわせて、夢にまであなたを想うぐらいの純粋な恋愛をする人も少なくなったのかもしれません。世の中、なんだか騒がしい恋愛とか愛欲まみれの話が多くなりました。
今、NHK-BSで、花子とアンの再放送をしていて、ちょうどいま、白蓮さんが旦那の元を去り、愛する人の元へ駆けつける場面になっています。当世でいうと、文春砲の餌食になる話ですが、白蓮さんの決意を思うと、現代の騒がしい恋愛とはちょっと違うような気がします。
かっこよく言うと、文学的な愛憎物語といいますか。
女性が自由に行動できなかった時代だったからかもしれませんが、それはそれは死ぬより怖い人生の決断をして愛する人のところへ行く。自分への見返りもないのに。ただ盲目的な恋でもないんですよね。ちゃんと理性が働いていて、それでいて情熱的で。
今の時代、このような尊い恋愛をする人は、見かけません。きっと絶滅危惧種なんです、そのような人は。見かけたら保護しないといけませんね(笑)。
❝鷺草のそよげば翔つと思いけり❞(河野南畦)
サギソウが咲くのは6月頃。新緑が薫る風になびくサギソウは、今に飛び出す鷺のごとくだ、というのです。
話は戻りますが、サギソウの鷺は、しらさぎ。
鷺草を市等の花に指定しているのは、姫路市、世田谷区、浅川町、猪苗代町。
世田谷区は、かつで自生したサギソウの大群生地があったそうです。
植物園や園芸店で年中見ることができるので、サギソウをみても季節感はわきませんが、歳時記では晩夏の季語に整理されていますので、今の暦でいうと7月ぐらいです。
7月ぐらいに、夢でもあなたを想う、という状態は、夏休み前にしばらく会えなくなるかもしれない「アノ人」への想いが強まっている状態なのかもしれませんね。