世界的投資会社バークシャー・ハザウェイが、保有するApple株の放出を加速させているようだ。
つい4年前まで、Apple株を宝石に例えていた同社が、昨年からApple株の放出を加速している。これは、何を意味するのか。
スマホの世界市場では、iPhoneの市場専有率は、Apple大好き日本人には信じられないだろうが、思ったほど高くない。
(出典:IT Media News https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2401/18/news134.html)
約20%のシェア。しかも市場占有率1位は、2023年が初めてとなる。
圧倒的に強いメーカーは、韓国のサムスンである。ギャラクシーは、それだけ世界に評価されているのである。
OSだけで見た場合、iOSは2割、Androidが8割ということになる。市場占有率だけなら、Appleは世界で超絶マイナーだということだ。
バークシャー・ハザウェイはこれまで、市場占有率で見た場合それほど魅力的に見えないApple株を購入してきたのは、やはり新製品を次々と生み出し世の中へ提案してきたApple社の高付加価値性を評価してきたのだと思われる。
それが今、潮目が変わったと理解しているのではないか。
Appleユーザーなら体感していると思うが、ジョブズ没以降、クック主導のApple製品開発は、既定路線の延長の感が拭えない。
先日発表されたiPhone16など、生成AI搭載で革新的!と言っていたが、ユーザーからすれば今更何を自慢しているのか?と思われるタイミングだった。
全てが後手に回り始めたApple。
ジョブズは理想を実現するため、費用対効果よりビジョンを優先して製品開発・リリースしてきた。それが世の中を変えるきっかけになった。
もちろん、財務体質は極めて極悪だっただろう。投資家にとっては、ハイリスクとまでは言わずとも、多少のリスクを抱える企業に見えるはずだ。
そんな中でもバークシャー・ハザウェイがApple株を購入していたのは、社会に与える革新性を有する高付加価値製品を作り出せる企業体質がAppleにあり、それを世に中の消費者が受け入れるはずだとの確信があったからではなかったのか。
今日の記事は、あくまでAppleユーザーである私の「気持ち」だけで書いているので、不快に思われる方にはご容赦頂きたいのだが、M1 MacAir、M1 iMac、iPhone12〜13以降のApple製品で、おっ、新しいじゃん!と思えたものは、VisionProだけである。Apple Watchは、iPhoneの付属機械であるし。
Appleの革新性は、明らかにスピードダウンした。
それは、かつてウインテルと揶揄され、世界中のPCを支配してきたインテルの今と酷似しているように思える。
時代は節目を迎えているのだろう、きっと。
そういう潮目と読んでいるなら、バークシャー・ハザウェイがApple株の保有率を下げるのは、当然の動き。古き者が市場から後退・退却させられる節目は、これから新しい産業が芽生える節目でもある。
その時に巨額投資をして、その産業を育成するのが投資家。
世界中の投資家や経済界のビジネスマンは、これからの時代はAIの時代とみんな信じて疑わないが、さてさて、巨額の投資資金を抱えるバークシャー・ハザウェイが見つめる未来には、どのような新産業、新企業、新リーダーがいるのだろうか。
Apple株の売却で得られた巨額の投資先、私にとって、とても興味深い。