今週のお題「ふつうに良かった映画」
チャップリンが凄いのは、コメディーの中に、ちゃんと観衆に対するメッセージが繊細な表現で盛り込まれているところ。中でもこの映画のラストシーンは、大好き。現在の不穏な世界に住む私たちは、彼のメッセージに耳を傾け、反省しないといけないと思う。
great dictator speech charlie chaplin - YouTube
独裁者はチャップリン初のトーキー映画。しかし、無声映画的な楽しみも盛り込まれている。床屋でのハンガリー狂詩曲にあわせたシェービングのシーンは、無声映画のエッセンスがしっかり入っていて、私の一番のお気に入りシーンである。
近年の映画は、CGを多用した視覚的刺激の強い作品があるが、言い方は悪いが、ファーストファッションよろしく、見たら、はい終わり、というものばかり。
そういう映画が多い中で、20年ほど前に公開されたフィールドオブドリームは大変よい映画だったが、アメリカ野球の黒歴史を知らないと、のめりこめない。私にとっては、消化するのに時間がかかった映画だ。
そういう意味で、チャップリンの映画は、いつ見ても、見た後に余韻が残る。無声映画で頂点をつかんだ彼だから、映像、ストーリー、表現など様々なポイントで、観客の心に残る作品を作ることができたのだろう。
写真の世界でいうと、モノクロを征した写真家の写真。モノクロを征するものは写真を征すると、誰か言っていたっけ?なんでも、シンプルなもので、きちっと道を究めないと、本物の道にたどり着けないということなのかもしれない。
ちなみに、写真の世界でいうと、この人の作品が、私にとっては手本。
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サルガドさん。この間、TEDで見かけた。お元気でよかった。