ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

日本人が見習うべき人

 はっきり言って、Macユーザーではないし、i-Phoneなんて使っていないし、私にとって直接関係のない人だが、それでも、彼が優秀なプロダクトデザイナーだったという事を、他人と同じく私は認知している。
 アップル社は一度潰れかけた。なぜなら、彼を追い出したから。彼が帰ってきて、AirMacだのi-Phoneだのi-pod,i-padが誕生し、そして今の繁栄につながっている。
 彼は、誰よりもアップル社が好きだったろうし、最後の最後まで(おそらく6月に会長へ退いたときには、医者から最終宣告されていたと思われる)、アップルの一員でありつづけた。
 私は、彼の才能もさることながら、これほど仕事を愛した男を、本当に尊敬する。特段新しい機能が入っている訳もないi-Phoneを、ここまで世界に認めさせたプロデュース力は、本当にすばらしい。私は最初i-Phoneが出たときに、なんとスゴいアイデア!と正直思った。あれぐらい機能は、当時のガラケーが既に持っていたし、実際、i-Phoneが日本に登場した時に来日した、24歳のアメリカ人女性が、日本人の使っている携帯をみて、その機能の多彩さにびっくりしていた。
 そのガラケーを誕生させた日本人が、今や何人かに1人がi-Phoneを持っている。電車で、喫茶店で、家で・・・。今や、インフラ的なステータスとなっいる。
 ジョブズ氏は、アップル社とアメリカにとっては誇りだろう。そして、日本人にとっては見本になるべき人物だ。
 日本人は十分先進的な発想力とそれを実現するための行動力を持っている。しかし、下手なのが、プロデュース力。作った技術を、顧客が喜ぶパッケージングにするのが下手なのである。

 日本には、第二次世界大戦の際も、こんな話があった。
 
日本陸軍新兵器として、
?レーザー兵器開発の逸話
 実験で、ネズミ1匹殺すのに何時間もかかったとか
?ディーゼルエンジン
 着火温度が低いディーゼルエンジンは、熱帯地方で有利。そこで戦車用にディーゼルエンジンを世界で初めて開発。そして中国で実験。ところが大陸は寒く、そしてエンジンが途轍もなく重くて使いものにならなかったとか
 
 これをジョブズが目の当たりにしたら、全く違う用途に、これらの技術を転用していたのに違いない。
 日本人は、どうも「♪思い〜こんだ〜ら、試練の道を〜♪」のところがあって、考え方に柔軟性がない傾向がある。規制緩和が進まないのは、こういった性質の裏返しなのでは、と小生は思う。
 もっと失敗してもいいからと、もっといい加減でもいいからと、もっと大胆に発想して行動する癖が必要なのではないか。
 永遠の国に旅立ったジョブズ。日本人に貴方の才能とパワーを分けてください。
 ご冥福をお祈りします。