ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

映画「沈まぬ太陽」を観る前に

昨日試写会があった沈まぬ太陽ですが、公開一か月前ということもあって、ウェブサイトの情報も沢山出てくるようになってきました。http://news.walkerplus.com/2009/0917/20/渡辺謙さんはLAから生出演という形だったそうです。さて、沈まぬ太陽は、ご承知のとおり山崎豊子氏の小説です。先日「運命の人」の最終巻を発刊した巨匠にとって、この「沈まぬ太陽」は思い入れのある作品の一つのようで、「これが映像化されないと死ねない」とまで言っているとか。わたくしは、沈まぬ太陽と女の勲章は原作で、大地の子と二つの祖国(TVでは山河燃ゆ)はNHKドラマで、白い巨塔はフジテレビドラマで楽しませていただいた山崎作品。それは、彼女の敏腕ライターとしての徹底した取材に基づいた題材と壮大なストーリー展開がマッチし、息をつくのも忘れて没頭できる圧倒的な面白い小説です。しかし、その面白さゆえ、色々各作品で物議をかもしていることの彼女の作品の特徴です。盗作騒ぎ、事実誤認とか色々と話題になります。この沈まぬ太陽もその一つで、この作品の騒動の相手は、日本航空自由民主党です。
映画「沈まぬ太陽」を観る前に、このサイトを一度ご覧ください。http://www.jalcrew.jp/jca/archive/shizumanutaiyou/index.html今や経営難となり、外資系航空会社に吸収されかかっている日本航空の機長たちの組合が運営しているサイトです。http://www.rondan.co.jp/html/ara/jal2/index.htmlhttp://www.rondan.co.jp/html/ara/yowa3/index.htmlは、論談というホームページに掲載されているものです。どちらもインターネット上で発信しているものなので「一方通行的なもの」としてご覧いただくと偏りなく楽しめるかと思います。沈まぬ太陽の映画の宣伝は、どうもマスメディアも積極的に行えないのか、あまり露出度が高くありません。日航の経営難の話は、今後民主党政権が日本の構造改革を進める中で、一層ドギツイものになっていくに違いありません。運輸官僚の天下り先の一つである日航問題は、政府として空の自由化を進めるために避けて通れない課題だからです。日航はなくなるかもしれません。そんな時期にこの映画がリリースされたことは、とても偶然とは思えませんし、この作品が背負う大きな宿命を感じます。どういう出来具合か評価か、そういうのは関係なく、この作品をこの時代に観ることはとても有意義で重要で必然的な事のように感じます。その作品を観る前に、是非、先ほどのリンク先をご覧ください。映画で描き切れなかった事情も念頭に映画をみて、あの当時の日本の良いところ悪いところを今の世代の私たちが観ることで、これから向かっていく日本の社会構造の変革時代に私たちがすべきことを発見できるでしょう。