小学生の時、祖父が満州出征した際に持参した蛇腹式のカメラをおもちゃ代わりに触って以来、私の唯一といってよい趣味だった写真撮影。高校時代には、何度か投稿した雑誌にも掲載していただき、私の人生を活き活きとさせてくれた写真撮影。
もう、止めようかと考えています。
止めようと考えたきっかけは、持っているレンズの故障。
マイクロフォーサーズ規格は特にでありますが、何もかも電子回路が組み込まれていて、電気系統が故障すると、もう使えなくなります。今回は、MFを動かすためのリング系統がイカれて、AFでもMFでもレンズが動かなくなってしまいました。修理すると1万円かかります。
高校時代につかっていたカメラは、フィルムカメラ。メカニカルな部分はシャッターとモータードライブと絞り機構。ニコンだということもあり、3年間で故障はなし。自転車から地面に落としたこともありましたが、レンズも本体も凹みこそつきましたが、動きつづけました。今のカメラしか使ったことのない人にとっては都市伝説みたいな話だと思いますが、2,30年前は、そんなカメラが一杯ありました。キャノンのEOSを除いて。
私の持っているPENは、本当に性能がよいカメラだと思います。
ただ、EVFでのピント合わせはピントの山が外れるし、MF時のピントリングはタイムラグが生じる上に、リング回しの最終がわからない。永遠に右にも左にも回り続けるんですよね。これは結構ストレスです。
結論から言うと私の感性や感覚とちょっとずれるカメラの動作や「風を目で感じられないEVFでの撮影」は、ストレスフルなんです。ずーっと不満だったんです。その不満が、今回のレンズ故障で爆発しちゃいました。こんな電気仕掛けだらけのカメラなんて使えるかって。最近飲み会でつかったチェキの方が、よっぽどカメラらしかった。
そして写真撮影を止めるもう一つの理由。それは、街中で写真撮影がしずらくなった社会の変化です。
最近テレビのバラエティは異常なまでに一般人の顔をモザイク化していますね。肖像権で訴えられたくないからみたいですが、テレビがそんな極端なことをしてくれるおかげで、最近、街中で撮影しようとすると、にらんでくる人が増えました。お前なんて撮るかよって思うんですが、もう怖くて街中で写真撮影できません。
それと、観光地や祭りなどのイベントに出かけると、前期高齢者の写真集団が、とにかくマナーもへったくれもない状態で、我が物顔で写真撮影しています。イベント会場で、何度かカメラを持ったオジサンから背中を押されたりしました。当然、ゴメンの言葉はありません。
こんな人たちの世界に、私は身をおきたくありません。こんな人たちと一緒に、心穏やかに写真なんて撮れません。
そういう色んな思いから、もう写真をやめることにしました。スマホでも写真は撮りません。もう、マナーの悪い人たちと一緒の行為をしたくないのです。またマナーの悪い人たちと同類に思われたくありません。
そして、趣味がなくなってしまった私。
何か、新しい趣味を見つけたいと思っています。できるだけマイナーで、ややこしい人々が注目しない、そして密かにできる趣味を。