昼休み時間が半分ほど過ぎた頃、3月まで一緒に働いていた同僚から、ちょうど1年前に貸していた5冊の本が帰ってきた。
本の題名は、沈まぬ太陽。
故 山崎豊子の大作である。
この本を読んだのは、もう5年以上も前である。
あまり小説を読まない私だったが、力強い題名に惹かれて購入したが最後、5巻全部を一気に購入・読破してしまった。
ご存知の方は多いと思うが、この本は、御巣鷹山の日航機墜落事故が舞台になっている。
今日という日に、この本が帰ってくるなんて、なんとも言いようのない気分になった。
前にもこの本のことを書いたが、この本の主人公、恩地元は、実在の社員だった小倉貫太郎氏がモデルになっている。
小倉氏は、この小説を書くことについて、最後まで反対していたようである。
実際、沈まぬ太陽が雑誌に掲載されると、日航関係の飛行機、施設からは関連雑誌はすべて取り除かれ、山崎豊子氏は日航から訴えられたりする。あの当時の日航は、公務員の中の公務員たちが作った官僚組織だった。ナショナルフラッグをANAに譲った現在の日航とは、似ても似つかない。
映画化もされたが、これまた、日航からの妨害工作を受けたようだ。
私は、これほどの大きな事故を、一会社の名誉のために、歴史から葬り去ってはならないと思う。
是非、大河ドラマにしてほしい。いや、するべきである。
今日、久しぶりに手元に戻った5冊を見て、そう思った。