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カレーに納豆かけたら悪いか?

人生、仕事、感動した書籍について、写真とともにブログってます。

インドネシア(2012年調査)

インドネシアの魅力は、なんといっても若くて豊富な人口である。世界第4位の2億4000万人の人口を有し、購買力旺盛な内需市場を持つ。一人当たりGDPは3500ドルを超えたが、首都ジャカルタに限ると、9,896 ドル(2010年時点)と先進国の仲間入り寸前の状態にある。

 

・人口構成は30代未満の人口が増加する傾向にあり、2030年まで生産年齢人口が増える(内閣府「世界の潮流」)。若くて豊富な人口は内需を作り経済を支えている。

・世界が不況であえいでいたリーマンショック後は、多くの国で成長率が大幅に低下しマイナス成長となったが、インドネシアは国内消費がGDPに占める割合が高いため、2010年は4.6%の経済成長を成し遂げた。内需が国経済を支えた結果といえる。

インドネシアは所得格差が大きい国といわれるが、最近は徐々に中間層が増加しており、これまでマジョリティーだった貧困層の総数とその次に多かった中間層の総数が、2013年中に逆転すると言われている。こういった状況は、ショッパホリック(買い物馬鹿)といわれるぐらい購買意欲の強い国の内需を一層強くしていくだろう。

インドネシアは、大変な親日国である。日本ブランドは「アフターサービスが充実している」「長持ちする」とのイメージが強く、人気が高い。そのため、日本のものではないのに「日本式」とうたった商品もあふれている。

・天然資源も豊富で小売などを除けば外資規制も比較的低い。しかし、法律が頻繁に変わったり、汚職がひどかったり、企業が進出する際には気をつけなければならない点が多い。

 

ヒアリング 1 日系コンサルタント

ヒアリング概要 インドネシア全般及び消費市場等

 

インドネシア市場について】

・すべてにおいて、需要過多の状態。日系企業が上手にインドネシアへ進出できれば、利益を確保できる。

ジャカルタ市内では、メイド不足が起こっている。多くの市民がミドルアッパー層になり、メイドを雇うことができる人が増えた。逆に、メイドのなり手が減ってしまった。

・生活関連産業は、外資規制が一部残っているため簡単に事業を始められない。しかし、メイド不足にも見られるように、需要は沢山ある。やる気になれば上手くいく。インドネシアに根を下ろして事業に取り組む覚悟が必要となる。

インドネシアは、底知れぬ需要があり面白い。インドネシア駐在の日本人の間では、日本は構造的に硬直してしまい、普通に暮らしていてもストレスを感じてしまうが、インドネシアは、インドネシア人が言うこと聞いてくれない程度のストレス。そういう環境は、新たな活力に繋がり、新しいものが日々生まれてくる源となっている。

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・洗濯機や冷蔵庫は今だに普及していない。今は、テレビの購入意欲が高い。

・車の普及率はまだまだの状態。ジャカルタには沢山の車が走っているが、それ以外ではまだ少ない。車の販売は好調で、3月から毎月前年度比を上回る状況が続いている。

インドネシアの一人当たりGDPは、2012年11月の推計で4,000ドルを超えた。ジャカルタだけなら、1万ドルを超えている。ジャカルタだけは先進国レベルの所得水準にある。2年ぐらい経てば、国全体の一人あたりGDPは5,000ドルを超える。

・日本の生活関連サービス企業は沢山進出してきている。ダイソーは6店舗。公文は数え切れないほどある。公文は、内外資本を含めて業界でダントツ1位のシェアを誇っている。インドネシアは子供の教育に熱心である。父が土木作業員であっても、稼いだお金を使って子供を塾に行かせている。そのため識字率は高い。

 

日系企業の動向】

・最近、IT,金融関係企業からの相談が増えてきた。小売、食品産業は、外資規制があって直接投資できない。ちなみに、インドネシアのサービス業は、産業全体の1割ぐらいで、まだまだこれから伸びる分野だ。

 

インドネシア進出で気をつけること 】

・利益追求のために、この国へ来ると失敗する。この国に根ざし、この国の企業として活動することが大切。現地のニーズを拾い、現地向けサービスを提供し、地域貢献していくことを考えないと、事業は上手くいかないだろう。そういう視点が抜けている日系企業の方とよくお会いする。

 

インドネシアの国民性】

インドネシア人は、フレンドリーで親切。時間間隔がゆったりしていて気が長い。欠点はこの逆で、いい加減だし、責任感がない。約束は守らないし時間も守らない。

インドネシア人は、日本人のようなワーカホリック(仕事中毒)ではない。彼らはショッパホリック(買い物中毒)である。

インドネシア人は、購買意欲が高く、宵越しの金は持たない。貯蓄はしない。何か目的があれば貯蓄するが、将来のために貯蓄はしない。

 

ヒアリング2  日系ジョブコンサルタント

ヒアリング概要 インドネシア労働者の状況、日系企業動向、サービス関連市場動向

 

インドネシア労働市場

・人件費の上昇がつづいている。今年一年間だけ見ても、インドネシア人スタッフの昇給を年度途中に少なくとも1回行う傾向がみられる。そうでないと、昇給が1年後というだけで、そのスタッフは転職してしまう。来年の最低賃金は30%以上上昇することになっている。今年のジャカルタ最低賃金は、昨年度比で44%上昇した。カワラン地区にいたっては50%を超えている。とんでもない賃金上昇が続いている。

・この状態が続いているので、倒産する企業も出てくるだろう。韓国企業は対応がハッキリしているので、数万人単位でレイオフせざるを得ないと言っている。

・2012年12月2日に大統領が、「労働賃金は上昇していくべきだ。労働者を安売りする時代は終わった。」と言った。賃金上昇傾向は、今後も続くだろう。

・最近、日本の20代の方がインドネシアでの就職を探すのを目にする。しかし、インドネシアでは単純労働者は必要なく、何らかのスキルを持った人材を欲している。特にマネージャークラス以上の人材は需要が高い。

・2011年、インドネシアには約1000社しか日系企業はなかったが、2012年に1200社以上になった。急激に日系企業が増加している。ほとんどが製造業と商社。英語とインドネシア語が出来る人の需要が高い。

・この国の所得格差はひどい。英語のできる秘書クラスが月収5万円前後。工場労働者の最低クラスが1万円程度。事務職の課長クラスは10万円、それ以上のクラスは20万円。GMクラスで50万円。つまり、最低賃金クラスと上位クラスで50倍の格差がある。

・この状況が労働争議につながり、ストライキが頻繁に生じている原因だ。2014年に大統領選挙があり、それまでは労働組合の影響で労働運動は沈静化しないだろう。

インドネシアへの進出を検討している日系企業は、労働力が安いという理由だけで安易に進出しないほうがよい。労働集約型経済の時代は、インドネシアでは終わっている。

インドネシアは、労働集約型から知識活用型産業に転換しようとしている。現在、ニーズが高くなってきている労働者は、マーケティングのできる人である。

 

インドネシアへの進出について】

・中国と韓国企業は、ここ数年、積極的に投資している。特に韓国企業は、国を挙げた取り組みを進めている。ポスコなど製造業もさることながら、ドラマ、K-popなどコンテンツ産業の攻勢がものすごい。インドネシアでの韓国企業の存在感は大きくなっている。

・サービス関連産業の外資規制が緩和されるかどうか、期待は薄い。生活に密着した産業は、基本的に合弁会社も含め外資規制がある。小売、介護、人材派遣は規制が厳しい。

サービス産業として参入するなら、地元企業と業務提携をし、ロイヤリティをもらうやり方しかない。

インドネシアに進出する場合、法制度への対応が一番苦慮するだろう。法制度は不透明なことばかり。企業コンサルタントが、国の動きや制度について情報収集するが、集めれば集めるほど、わからないことが沢山出てくる。法制度の解釈も担当者の意向で変わることがある。

・日本の悪質なコンサルが増えている。インドネシアでの実績もないのに、インドネシアでの会社設立支援を謳い、企業から委託料を取るコンサル等が多くなっている。現地人名義で会社設立できると言われて騙される人も多くなっている。こうした情報は、なかなか日本に届かない。企業を支援する窓口が連携して注意喚起する必要がある。

 

【その他】

・この国は。日本に悪い感情を持っていない。過去に日本が占領し、その後日本から独立しているのに、親日国。そういう意味で、この国で日本人が働くことは、幸せなことだ。

日系企業には、正しい知識をもって進出を検討してほしい。また、自分たちだけが儲けるのではなく、インドネシアの発展にも寄与するんだという気持ちを持って事業展開してほしい。

 

≪ヒアリング調査及び市内視察から判明した事≫

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インドネシアで作るものは、インドネシアで全て消費されるとの話があるが、まさにインドネシア人の旺盛な消費を言い表している。空港で見かけたインドネシア人(バンコクジャカルタ)は、キャリーオーバーなど気にせずに、山ほどの荷物を抱えて帰国した。ジャカルタ市内のスーパーやショッピングセンターでの買い物も、ちょっと買う量が多いんじゃないの?と思うぐらい積極的に購入している。また、新しいものに興味があるのか、車も携帯電話も、とにかく新型が好まれるようだ。

・ヒアリングをした他の国と明らかに違うのは、人口の多さ。とにかく繁華街には沢山の人がいる。しかも、みんな若い。若年者が多い人口構成ならではの活気を街中で感じられる。

・日本人がビジネスでインドネシアに行く場合、少し注意がいる。インドネシアイスラム国である。ゆえに文化や考え方は違う。格差に対する感情は、「表面上」感じない。しかし、金持ちに対する見えない感情は、何かのきっかけに爆発する。そういう危険性があることを十分に知っておいた方がよい。

・国民性といえばそれまでであるが、インドネシア人との約束事には、あまり期待してはいけないし、人をだますこともある。長期滞在されている方に話を聞いても「最初のうちはだまされた」「嘘をつかれた」と、皆口をそろえて言う。そういう文化なのだと理解した上で、この国に入っていかないといけない。