カレーに納豆かけたら悪いか?

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タイ(2012年調査)

・タイは、日本を最大の投資国として受け入れており、日本はタイの最大の貿易相手国となっている。1960年代からインフラ整備を着実に進め、道路舗装率は98.5%になっている。

 

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・工業団地は50か所あり、電力供給不安はない。そのうち、2011年に発生したチャオプラヤ川の洪水で被害を受けたのはアユタヤ工業団地ほか7団地、952社が被害(日系企業は451社)にあった。洪水被害からの復旧は着実に進んでおり、政府は、工場が復旧する際に独自で堤防を築く際の経費への特別融資制度を提供している。

・人口は2010年現在で約6,800万人(国連推計値)、15~34歳が多く、若干減少するものの14歳以下の世代も総じて多い。将来有望な消費市場として魅力が高い。

・経済は総じて強い。2011年は洪水の影響で成長率が落ちたが、失業率をみると0.68と良い状況にある。

・名目GDPの総額の動きも堅調で、一人当たりGDPも6000ドルを超えようとしている。なお、バンコク市内だけに限ると、既に1万ドルを超えている状況にある。

・このように、タイの経済発展は依然好調で、人口増加によりさらに発展を遂げる有望な市場といえる。

インドシナ半島での位置も魅力の一つである。ミャンマーラオスカンボジアメコン3カ国に囲まれ、ベトナム、中国雲南省を加えた経済回廊の中心地にある。ASEAN共同体の創設による域内統合(単一市場化)が実現すると、大メコン広域経済圏の中心に立地する国として、益々魅力が増してくるだろう。

以下、現地在住日本人へのヒアリング概要を掲載する

ヒアリング 1  政府系機関職員

ヒアリング概要 タイ国内の経済状況と消費者の動き、トピック

 

【タイ全般】

バンコク最低賃金の引き上げは、企業にとって大きな痛手。どの企業も最低賃金以上に給料を払っているが、底上げされたら、全体の給料もある程度上げないといけない。

・自動車販売が大変好調。毎月、過去最高の販売台数を記録している。自動車購入補助制度の影響。

・タイは、生産物の6割を国内消費し、4割を海外輸出している。欧州への輸出が多く、欧州の経済に影響されやすい。

・タイは、常に作物が育つ風土であるため、この国には貯蓄する感覚がない。男性は、最悪、出家すれば食うに困らない。そのため、手元にあるお金は使ってしまう傾向が強い。

・経済は、常に成長しつづけている。アジア通貨危機では少し影響あったが、長期的には成長している。

日系企業がタイへの進出を希望するなら、なぜタイに進出するのかをよく考えてから相談にきてほしい。日系企業など商売相手は沢山いるが、その分競争が激化している。そんなに甘くない。

 

【生活関連サービスのことについて】

・生活関連サービスの進出は、最近増えてきた。小売、レストランが増えている。丸亀製麺も4店出していたが、今は3店になっている。うどんは、タイ人は辛くないとおいしいと思わない。ちょっと難しいかもしれない。

・タイは、家事をしない。食事も洗濯も外注する。

・タイの生活関連産業については、潜在力は十分あるとおもうが、法規制の関係で、地元企業と合弁し、かつ地元企業の出資比率が相手企業より上回っていないとだめ。

バンコクは、今後、さらにモールが立つ計画がある。厳しい競争に勝つため、タイ初出店!というものを、地元は望んでいる。

 

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【自動車下請け零細の進出相談が増加】

・日本企業からの進出相談が2012年に入って激増し、平均して1日10社ほど対応する状況になっている。訪問してくるのは、製造業、特に自動車産業が中心で、まだまだ進出する傾向が見られる。

・最近の傾向として、自動車関連産業の零細企業(従業員4名~12名程度)からの話が増えている。一番多いのは、トヨタ系列のTier3(3次下請け)企業。東日本大震災以降、トヨタは復興の象徴として東北に大きな工場を作った。その影響で愛知や静岡の工場の仕事が減少、大きな影響が出ているようだ。その影響からか、愛知の零細企業からの相談が多くなっている。しかも、何も知らない状態でくる。

・日本企業にとって、タイは進出しやすい。日系企業が多くて部品調達から納入先まで確保しやすく、日系相手の商売が多くなるので言葉の壁が他の国に比べて低い。

 

ヒアリング 2 日系企業関係者

ヒアリング概要 従業員の様子からわかるタイの国民性、生活レベル等

 

【タイ人の特性など】

・タイでは日本のように社員教育ができない。日本人社員は、3言えば10やる傾向がある。しかし、タイ人は、5指示して2しかやれない。そういう感覚を持たないとタイ人を雇えない。

・品質管理が難しい。タイ人は、どうしてもミスが多い。そのため、かなりの人数の検査員をおかなければいけないセクションも出てくる。

バンコク市内の物価水準は、ほとんど東京と同じ。とにかくバンコクに住む人は、新しいものがすき。アイフォーンがでたらすぐに買う。バンコクの人は、借金することをいとわない。特に問題があるとも思っていないようだ。給料があがると、その分を消費に回す。この国は元来から豊かであり、最悪、出家すれば、食べるのには困らない。

 

【生活関連産業について】

・タイ人は日本食が好き。タイ人しか行かないマーケットに、寿司屋があったりする。外食産業で参入して成功する可能性は、十分あると考えられる。

・現在、日本食店で家族と食事をすることが、ひとつのステータスになっている。やよい軒ココイチはうまくいっている。

・日本食品のブランド力は強い。旅行者の評判がブームを引き起こすこともある。日本に旅行したタイ人が食べたうなぎがおいしかったことから、元来食べる習慣がなかったうなぎが、タイ国内で食べられるようになった。北海道フェアー、九州フェアーでは、高額な食材が売られている。兵庫県の食品産業、外食産業でも、やる気があるなら、勝算はある。

・タイ人は教育熱心。サイヤススクウェアーはエンターテイメントの地域であるが、塾の集まっている場所でもある。塾に入るのに試験がある。公文はいたるところにある。ここ10年で増えてきた中流階級は、少子化傾向にあり、子供の教育にお金をかける親は多くなっている。

楽天が地元企業と合弁会社を立ち上げて、通信販売を始めた。三木谷社長は講演会のなかで、まだ市場は拡大すると言っていた。

 

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日系企業の動向】

・最近、日本企業がよく視察にやってくる。しかし、タイの実情をよく知ってこない企業が多い。

最低賃金が上がったといっても、日本の労働賃金に比べるとかなり安い(H22年時点)。創意工夫をすれば、まだまだタイは進出先として魅力的な国である。

・進出には、タイ国で活躍している日系企業とコンタクトをとり、商売相手を確保してから進出する。この形をつくることが大切。タイでの仕事がちゃんと確保できないと事業が出来ない。

・最近、商工会議所に入らない企業が多い。しがらみが鬱陶しい、メリットがない、いろんな理由があると思われる。しかし、日系企業で情報共有するなど、ネットワークを作ることは大事だ。

 

【日本の若者がやってきている】

・日本の若者が就職活動をするために、タイへ来ている。フェイスブックにタイでの日本人求人を出したところ、世界中から応募があった。日本で働いた経験のない若者も含まれていた。日本人の最低賃金は6万Tb(約18万円)。タイの物価を考えたら、充分。

・コールセンターなどでは、2万Tbで雇っているらしいが、茶髪の若者が沢山いるらしい。若者は、志をもってくれば、企業はしっかり対応してくれる。

 

ミャンマーとタイ】

・タイとミャンマーは、非常につながりのある間柄。ミャンマー公共工事は、タイ企業が受注するケースが多い。

ミャンマーに進出するには、まず、タイの企業とのコネクション作りが重要。そうすることで、ミャンマーに進出していない日系企業は、進出しやすくなる。

ミャンマーは、まだ不安定な状態。現在、民主化、経済開放を進めるというが、どこまで進むか不透明。それが、タイの日系企業の見方である。

 

≪ヒアリング調査及び市内視察から判明した事≫

 ・最低労働賃金の値上げの影響で労働賃金が上昇する中にあっても、日本の製造業はまだまだ進出してくる傾向がある。その要因は、取引先となる日系企業が多く存在し、産業の裾野が広く、タイ国内のみで資材調達が可能であることが、一番大きい。この点は、生活関連サービスにも有利な点である。コンビニで弁当を作ろうにも、材料、加工、運搬等、それらを担う産業がなければ、弁当一つ店頭に並べることができない。タイにはそうした産業が、裾野広く存在している。

バンコクでは、住民の所得が上昇し、生活水準も向上、ライフスタイルも西欧化した。その結果、東南アジアの食文化の代名詞ともいえる屋台から、屋台より高額なファミリーレストランに顧客シフトが起こりつつある。ファーストフード、日系ラーメン店、カレーレストランは繁盛している。コンビニも、ファミリーマートマックスバリュー等が店舗数を拡大している。

BTS(高架式鉄道)、MRT(地下鉄)、シティーライナー(高架式高速鉄道)という公共交通機関が人口流動に影響を与えている。シティーライナーは郊外住宅街と市内を結ぶ重要な移動手段であるが、これまで市内での勤務を諦めていた人が、シティーライナーの開通にあわせて市内で働くようになった。もう少し整備が進めば、東京のようにドーナツ化現象が起こり、バンコクにより沢山の人が働きに来るようになるだろう。そうなれば、バンコク中心部の消費市場が拡大するだけでなく、郊外の消費も増加、都市部の活力が郊外に伝播していく。結果、タイ全体の経済発展がより加速することになる。近い将来、シンガポールやクアラルンプール並みになっていくだろう。

・この状況は、日本の生活関連サービス企業にとって、大きなチャンスである。国民の所得が先進国並みになれば、神戸ビーフレストランなどの高級レストランが普通に事業展開できるようになるだろう。実際、タイでは日本円で800円もする富有柿が大人気だ。また、高級素材を使ったファッション製品等、これまで国民が高額で手が出せなかった商品を購入し始めるだろう。経済発展により個人の可処分所得が増えるにつれ、楽天などを通じて、ネット通販、ネットモールなどのビジネスも盛んになるに違いない。

・タイは、シンガポールやマレーシアの経済発展を追いかけている国であり、経済発展のスピードは、最近、一層加速している。タイは、今後、生産拠点から、消費意欲旺盛な東南アジアの巨大消費市場として発展していくに違いない。

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