カレーに納豆かけたら悪いか?

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じゃりン子チエ


久しぶりにDVDをTSUTAYAでレンタルして鑑賞しました。
ん〜、やはりすばらしい漫画です。
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じゃりン子チエを知らない方のための基礎講座
作者
はるき悦巳(大阪出身)
原作
じゃりン子チエ(『漫画アクション』(双葉社)にて1978年から1997年まで連載)
内容
人情漫画(カメハメ波などはないが、孫悟空以上に戦闘力の強い、オバァと先生が出てくる)
その他
毎日放送系でアニメ化。その後、映画にもなった。アニメ化の総監督は、高畑勲
登場人物
○竹本チエ(たけもと チエ)声:中山千夏
大阪・西萩でホルモン屋(「テッちゃん」改め)「チエちゃん」を営む小学5年生。
一人称は基本的に「ウチ」。「ウチは日本一、○○な少女や」が口癖である。父親と異なり(小学生でありながら)酒は飲めるようである。
○竹本テツ(たけもと テツ)声:西川のりお
チエの父。ホルモン屋「テッちゃん」を営むも、ロクに働かずバクチとケンカに明け暮れるため、チエに店を奪われ実質無職。女性陣に対して暴力を振るうことはほぼ皆無であり、口喧嘩で精神を磨り減らすナイーブな面も持ち合わせる。女性は苦手なようである。
○竹本ヨシ江(たけもと よしえ)声:山口朱美
チエの母であり、テツの妻。テツより年上。性格は物静かなおっとりタイプである。学生の頃は陸上の選手で、テツとの対戦では勝っている。
ここ一番には強いところを見せることもある。この作品では数少ない美人女性である。
○竹本菊(たけもと きく)声:鮎川十糸子
チエの祖母であり、テツの母。ホルモン屋を営んでおり、チエの店の仕入れなども一括して行っている。チエは「おバァはん」と呼ぶ。空手道場で「名誉師範」の肩書きを持っており、ゲンコツで木の椅子の座面を打ち抜く「正拳イスぶち抜き」という特技を持つ。
○おジィ声:伝法三千雄
チエの祖父であり、テツの父。チエやヨシ江らは「おジィはん」と呼ぶ。テツに甘く小遣いをせびられては菊にどやされている。
○百合根光三(ゆりね こうぞう)声:表淳夫
チエとヒラメとサッちゃん(米谷里子)からは「お好み焼き屋のオッちゃん」と呼ばれ、テツとカルメラとミツルからはお好み焼屋の「オヤジ」と呼ばれて慕われている。
博打屋「遊興倶楽部」元社長。
○丸山ミツル(まるやま みつる)声:上方よしお
西萩の交番に勤務する警察官。テツの幼なじみで子分格。昔はテツと共に色々悪さをやっていた悪童であったのだが、現在では真面目に生きている。
○花井拳骨(はない けんこつ)声:須永克彦
テツとミツルの小学生時代の担任で、教員を退職後は著述業で生活している。大学時代(作中には京都大学であることが暗示されている)は相撲部所属で学生横綱として活躍すると共に、李白研究の第一人者として将来を嘱望され、大学卒業後も大学に残って李白研究を続けた。テツを小学校1年生から6年生まで担任(通知表には「メチャメチャ劣る」と書いた)し、テツとヨシ江の仲人を務めたが、夫人に先立たれてからは独り身で、執筆活動などを行いつつ悠々自適の生活を送っている。
○小鉄(こてつ)声:永井一郎
チエの飼い猫。額にある三日月状の傷がトレードマークとなっている。野良猫時代、数々の武勇伝を持つ極道猫だったがチエがヨシ江とのお出かけの時、行きつけの甘味屋でもらい受けたことから竹本家の一員となる。猫、人間を問わず最強の存在でチエからは用心棒として紹介されることもある。
○アントニオJr.声:山ノ内真理子
アントニオの息子。通称はジュニア。デタラメな父親と違って思いやりがあり、律儀な性格である。小鉄に対し父の復讐をすべく決闘するが、小鉄の捨て身の説得により和解し、以後は小鉄を慕うようになった。
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男はつらいよ」と並ぶ、小生が大好きな作品です。
特に、高畑勲の演出が素晴らしい。ジブリ作品にもいえるが、ナウシカラピュタと、もののけ姫千と千尋を比べた場合、高畑氏が参加している前者のほうが画面構成や物語に適度の「余裕」が感じられ、適度な緊張と緩和が作品内に仕込まれている。これは、高畑氏の感覚でないと出来ないだろう。
宮崎駿氏を否定しているのではない。色々あるだろうが、二人は、二人で一人であってほしいというのが、小生の気持ちである。
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高畑氏の演出もあるが、やはり漫画の舞台になっている大阪の下町(西成)のエキスを十分に抜き出して紙面上に昇華させた春木氏の力量の結果が、この作品の良さだろう。こち亀と比較する人もいるが、残念ながら、こち亀は「妄想」が作品のエキスになっている。じゃりン子チエは、現実のデフォルメである。比べる対象ではない。じゃりン子チエはリアリティがあるため、たとえば大学時代の同級生で、家庭内がボロボロの人が、寅さんもじゃりん子も、悲しくて、寂しくて、悔しくて、涙なくして見れないといっていた。彼にとって、寅さんもじゃりん子も現実世界のものだった。
このリアリティある人間模様が、作品を通して読者(鑑賞者)に人間の底力を感じさせる力になっているのだろう。最近のアニメは、手からビームが出たり、髪の毛が黄金に輝いた人間が空を飛んでみたり、悪魔の実を食べたためにゴム人間になってみたり、なんだか現実が感じられないし、それだけだ。今の少年誌や漫画雑誌編集者に言いたいのは、夢、正義、友情、それは大いに結構だ。しかし、ほんとうの世界にはいろんな汚いこともある。その中にあって、人間はバカで愚かで邪悪だけれども、一人ひとりが愛おしい生き物だということを読者(少年)伝えて欲しいと、小生なんかは思うのである。なお、おなじジャンプ作品でも「ジョジョ」は人間を感じることができる(特にファーストステージ)。
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高畑氏は、東京大学フランス文学を専攻していたようだ。そういったセンスが大阪の下町の作品につながり、より原作の良さに磨きをかけられたのだろう。皆さんには、是非、この奇跡の漫画を御覧いただきたいと思います。きっと、抱腹絶倒、感動感涙しますから。(了)