ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

運命の人

運命の人(一)
昨年の秋に「沈まぬ太陽」という日航御巣鷹山墜落事故を題材にした映画が公開されました。
原作は、山崎豊子
彼女の作品は、二つの祖国、華麗なる一族白い巨塔大地の子など、超有名一級品が目白押しです。
その最新作が「運命の人」です。
タイトルからして恋愛小説のような感をうけますが、彼女がそのような軟なモノを書く訳もなく、当然、歴史的な事件を題材としています。
題材は、米国からの沖縄返還にかかり、当時マスメディアスキャンダルとなった西山事件(機密情報漏えい事件)です。行政書士などの資格試験の勉強をしている人なら、当然知っている事件ですし、マスメディアに関心のある人なら知らないはずのない事件です。

この時の事件を題材に22年前に作られた映画が、今年の4月、東京で上映されたようです。
この作品は、毎日新聞が舞台になります。山崎豊子毎日新聞の記者でした。彼女にとって、この作品は諸先輩や元同僚を題材にしないといけないので、書くことに抵抗があったかもしれませんね。
しかし、私はよくぞ書いてくださった!と称賛を贈りたいです。
やはり、圧倒的に面白い。彼女の他の作品同様に今作品にも、自分自身の生きざま一つで、家族や周りに影響を及ぼすことも、そして信念を貫けば、時には信念とは違う方向へ流されていく人生の不条理があることを、縷々描いています。彼女の作品を読むたびに、人生ってなんだ、人ってなんだ、社会ってなんだ、組織ってなんだ、国家ってなんだと考えさせられてしまいます。

是非一度読んでください。

私はちょうど折り返し地点を読んでいるところです。

読み終わったら、またレビューしてみます。


(人生には色んな船出があり、色んなゴールがある。そう思いませんか?)