ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

愚かなのか、真正直なのか・・・

鳩山首相が沖縄に入った。米軍基地移転問題の解決の糸口を見つけるために。
沖縄県民の怒りはヒートアップしているだろう。
前の選挙の時、どこまで信じていたかは別にして、民主党マニフェストには“県外移転”と書かれていたのだから。
首相「辺野古」表明、沖縄と社民は強く反発(So-netNews)

鳩山首相のこれまでの行動には、色々と非難がある。リーダーシップがないのでは?から始まり、言うことがふらついているとか・・・
私個人的には、よくやっていると感じているが。
何故かというと、この問題はそもそも自民党時代の色々不明瞭な政治的操作が原因となり、そのツケともいう物が一斉に現在に降り注いできていると考えている私から見ると、鳩山首相はよく我慢して対応してきたと思う。マニフェストだって、小沢幹事長が草案したものだっただろうし。
前の選挙の直前、小沢が泣きながら離党するとかいって騒いだ時も、鳩山首相が彼の盾となり、その結果党首になった。選挙後、彼に笑顔が無かったのが、今も鮮明に思い出されるが、それは党内外にある様々な課題を背負わされた苦しみを現実のものにしてしまった恐怖を感じていたからだと、私は思うのである。

自民党時代、沖縄返還の際に起こったスキャンダラスな情報漏えい事件の西山事件山崎豊子氏の小説、「運命の人」で描かれているのは、当時の緊迫した外交のやり取りと、野心的なジャーナリストが踏み込んでしまった「禁断の密」がダイナミックに描かれているが、その時代にひた隠しにされてきた外交文書の公開が、この民主党政権で実現することになった。
外交文書の公開(SonetNews)

私は民主党の全てが良いとは思わない。

ただ、よく見ていると、国民からは当然だと考えられることが、自民党と官僚の世界では「不都合な真実」であったため、誤魔化されたり隠されたりしていた。しかし、そういったシガラミが少ない民主党は、グイグイ切り込んでいける。切り込んでみて、初めて自分達も安易に冒せない「領域」があることに気がついて、この半年間で、大分大人になったように感じる。前原氏は、きっと大政治家になるだろう。長妻氏もだ。彼らは官僚たたきを専売特許にしていたが、今や、官僚の良き意見には耳を傾けている、最後は自分が判断する腹積もりを持ちながら。

だから、鳩山首相には、もう少し踏ん張って頑張ってほしい。今日の姿をTVで見る限り、自分の進退と引き換えに沖縄へ行ったようにさえ見えた。
駄目だ。あなたは良くやっている。自信を持って強く前に進んでほしい。本当にそのように思う。

ただ、沖縄の人たちには、本当に申し訳ない。本土の人間から、沖縄の人たちに頭を下げる。
あれだけ広大な米軍施設(陸・海・空をセットで)を受け入れられる自治体(アジア大陸に近い自治体)は、どこもないだろう。
関西国際空港を共用したらいいと言う人がいたが、あれだけ民間機が飛んでいる空域の空港では、とても無理だ。しかも、空港設備だけの話ではないし。

今回の沖縄への申し訳ない結果は、鳩山首相だけの責任ではない。日本国の沖縄県民以外の国民全員が、沖縄県民に謝るべきだと思う。他人事のように思ってはいけない、私たちは。そう思いませんか?鳩山首相の責任して終わる話ではない。私たちは真剣に米軍基地について、主体的に考えるべきなのだ。
なぜなら、愛するこの美しい日本を、安全で安心な国に維持しないといけないから。そしてそれを考えて実行するのは、この国に住む私たちの課題であるから。