ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

生と死と

かつて上司だった女性がなくなり、昨晩、その通夜に参列した。
祭壇には、彼女の遺影が、彼女にぴったりな花ばなに囲まれ、参列者に惜しみ無い笑顔を振り撒いていた。もう、それだけで涙が出た。
とびきり明るくパワフルな方だった。それだけに、個人的にも、組織にとっても、これ以上残念なことはない。
喪主である故人の夫は、その無念さと悔しさを、辛さを堪え、時には堪えきれず泣きながら、故人の闘病生活を語ってくれた。

彼女は、最期、ホスピスに入所したらしい。故人の夫の話からすると、幸いというのが適当かどうかわからないが、彼女にとっては、最期を迎えるよい場所になったようだ。

人間、生と死は避けられない。幾ら人間が万能でも、利口でも、自らの宿命は天に従うしかない。
女性に命が宿れば、即ちその瞬間から、命宿りし者の人生が、その者の宿命により動きだす。その宿命は誰にもわかない。
だから、人は今を懸命に生きるしかないのだと思う。

彼女は、最期まで頑張ったらしい。最期の日、近い親類とは、きちんとお別れできたらしいし、最期は穏やかに息を引き取ったようだし、安からに永眠できたようだ。

彼女の冥福を、心から祈る。