ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

自治体病院の危機

今朝の毎日新聞の記事によると、全国の自治体病院の累積赤字が一兆円を軽く超えると言う。悪いランキングで見ると、兵庫県と北海道が、1、2位となり、再建団体の本命が、それぞれ名前を連ねる結果となった。自治体病院は、戦後、今日ほど市中に医療機関がなかった時代、国民の健康確保に、多大な役割を果たしてきた。それこそ、国民皆保険が普及する前には、安価で良質な医療を提供してきた。今では、大学病院レベルの医療や、それ以上の高度専門医療を提供し、地域医療レベルを引っ張ってきた。しかし、それは不採算医療を無限大に行なう結果にもなったのだろう。
兵庫県は12の病院を持ち、そのうち、四つの専門を抱えている。また、他府県にはない粒子線治療施設もある。こういった医療は、採算から見て民間レベルでは不可能だろうし、やれても、患者をある程度確保できる大都会出ないと無理と思われる。自治体病院の役割としては、こういう分野で医療レベルの向上と普及であろう。しかし、財政圧迫があるなら、この部分も含め、切り離しが必要になるだろう。長崎県は、全ての病院を民間に売却又は運営委託した。高知は自治体の枠を外した合併を行なった。兵庫県も北海道も同じ事をするだろう。いや、せざるを得ないだろう。合併により、地域の医療は不便になる。ここには、税金を使ってでも、医療の確保をしてほしい。
殆ど車が通らない道路を作るのをやめて、国民の健康を守ってほしいと、切に願う。