ともほ じゃーなる

まいにち の ものがたり

食の安全について

不二家白い恋人、そして赤福
お菓子業界を代表する企業が行った賞味期限の改ざんなど、食の安全を揺るがす事件が起こっている。
しかし、ちょっと立ち止まって、冷静に考えないといけない。

ホットハート&クールヘッド

これは、ある大学教授が、政策形成プロセスでもっとも重要なポイントだと教えてくれた言葉である。
熱い思いは重要だが、冷静に分析して対処しないといけない。この食の安全の問題は、まさにこれだと思う。

私は、学生時代(20年ほど前)に、とある菓子工場でバイトをしていた事があった。菓子は、干菓子、焼き菓子、生菓子、蒸し菓子、なんでも作っていた。消費者の、安価で良い品を求める嗜好に対応した結果、会社の事業方針は、大量生産、薄利多売となっていった。これを可能にしたのが、冷凍技術の進化であった。鮪船にある冷凍装置を見てもわかるように、随分前から、冷凍技術はかなりのレベルにある。冷凍により、落ちない品質と味。解凍鮪と生鮪の違いなど、よほどの専門家かマニアにしかわからないレベル。つまり、品質だけを考えたら、冷凍庫から出した時点を、製造年月日としても、なんら問題ないのである。回収された出荷済み製品であっても、その品質に問題なければ、再加工して出荷できる。食品衛生法上、なんら問題がない。

この事件に際し、マスコミは、その点をどれだけ国民に説明しているだろうか。たしかに、今問題となっている企業は、明らかにルール違反を犯している。罰せられるべきである。
しかし、冷凍技術が発達している現代において、今の法律は古くないのかとか、食品業界が置かれている今の状況を「冷静」に分析した内容を国民に伝えた上で、ルール違反した企業のどこが悪いのか、どうして、こんな事件がおこったのかなどを「報道機関の主観抜き」で国民に提供し、国民に考える機会をあたえるべきではないのか。
コメンテーターの「感情だけ」のコメントを垂れ流す「ワイドショー」的な報道は、あまりにもレベルが低いと思う。

最近、テレビも新聞も読む気がしない。マスメディアの方には、もっと勉強して、この事件について、どう国民に伝えるのが本当の報道なのかをよく考えて欲しい。ゴシップ記事など、もう、飽き飽きしているのだ。

蛇足になるが、私的には、食の安全を守るには、多少高くても、作った場所の近くの食材を使った商品を買い、必要以上の品質やサービスを求めないようにすることだと思う。